【完結】転生したら、退場予定の悪妃になりまして
視察の旅ももう復路を残すのみ。
(何事もなく終わりそう)
どうなることかと思ったが……実際いろいろなことがあったが、終わりよければというものだ。
フレンは楽しそうに窓の外を見て、ギルフォードは腰痛防止のクッションに身を預けて書類を読んでいる。
異変が起こったのは、国境にもほど近い森を抜けたときだ。
ゆるやかな崖の下を通るその道は、フレンと共に身を隠していた村まで続いている。
そこで、決意を込めてエメリアはギルフォードに声をかけた。
「陛下、やはり一度村に……」
急に馬車が止まる。
どうしたのかと外を見れば、すぐに騎士の一人が馬車に駆け寄った。
「どうした」
ギルフォードが問い掛ければ、伝達の騎士が告げた。
「陛下、申し訳ありません。前に集団がいまして……」
「野盗か?」
そんなやりとりを見ていたフレンがエメリアの服を引いた。
「おかあさま……」
「大丈夫よ」
緊迫感に怯えるフレンをエメリアは抱き上げた。
街道沿いは確かに、無法者がいることがある。
けれどギルフォードが即位してから、旅人の安全は、周辺の騎士団や皇都からの兵の派遣によって守られてきた。
それにこれは皇帝陛下の視察の一行だ。
威信を示すために豪華な馬車に乗っているので目立つのは当然だが、同時に精鋭の騎士を連れている。
襲撃がそう簡単にいくとは思えない。
そう思ったところで、騎士が言葉を続けた。
「それが、……どうやら農夫たちのようです」
窓の外を見る。確かに列の前に立ちふさがるように、十人ほどの男たちの姿があった。
着ているものは野良着だ。
その人たちを見て、エメリアは叫んだ。
「――村長さん! みんな」
そこにいたのは、エメリアが身を隠していた村の人たちだった。
(何事もなく終わりそう)
どうなることかと思ったが……実際いろいろなことがあったが、終わりよければというものだ。
フレンは楽しそうに窓の外を見て、ギルフォードは腰痛防止のクッションに身を預けて書類を読んでいる。
異変が起こったのは、国境にもほど近い森を抜けたときだ。
ゆるやかな崖の下を通るその道は、フレンと共に身を隠していた村まで続いている。
そこで、決意を込めてエメリアはギルフォードに声をかけた。
「陛下、やはり一度村に……」
急に馬車が止まる。
どうしたのかと外を見れば、すぐに騎士の一人が馬車に駆け寄った。
「どうした」
ギルフォードが問い掛ければ、伝達の騎士が告げた。
「陛下、申し訳ありません。前に集団がいまして……」
「野盗か?」
そんなやりとりを見ていたフレンがエメリアの服を引いた。
「おかあさま……」
「大丈夫よ」
緊迫感に怯えるフレンをエメリアは抱き上げた。
街道沿いは確かに、無法者がいることがある。
けれどギルフォードが即位してから、旅人の安全は、周辺の騎士団や皇都からの兵の派遣によって守られてきた。
それにこれは皇帝陛下の視察の一行だ。
威信を示すために豪華な馬車に乗っているので目立つのは当然だが、同時に精鋭の騎士を連れている。
襲撃がそう簡単にいくとは思えない。
そう思ったところで、騎士が言葉を続けた。
「それが、……どうやら農夫たちのようです」
窓の外を見る。確かに列の前に立ちふさがるように、十人ほどの男たちの姿があった。
着ているものは野良着だ。
その人たちを見て、エメリアは叫んだ。
「――村長さん! みんな」
そこにいたのは、エメリアが身を隠していた村の人たちだった。