【完結】転生したら、退場予定の悪妃になりまして
エメリアはフレンを抱いて馬車から降りた。
「お久しぶりです、皆さん!」
懐かしい顔ぶれに、嬉しくて騎士たちよりも近づいたところで……。
「エェ」
いつも朗らかだった村長が、顔に歪んだ笑みを浮かべた。
ふと、彼が自分の右手を背中の後ろに回していることに気づく。
「……私どもモ、お二人にお会いできテ嬉しいです」
そう言う村長が、後ろに回していた右手を持ち上げる。
陽光が銀の光を反射する。彼が後ろ手に持っていたのは――研がれた鋭い鎌だ。
躊躇なく、自分たちに向かって鎌が振り下ろされるのがエメリアの目にやけにゆっくりと見えた。
反射的にエメリアはフレンを腕に抱き込んだ。
「――エメリア!」
ギルフォードが後ろで叫ぶ。
いつ刃が身体に突き立てられるか、痛みに身構える。けれど目は閉じなかった。どうにかしてフレンを逃がさなくてはいけない。
「……待て!!」
そこで、崖の上から光とともに小さな影が飛び込んできた。
「ぐあっ」
光は素早い動きで、村長の鎌を弾き飛ばす。
次いで小柄な人影が、鞘に入ったままの剣を彼に叩きこんだ。
へたりこむエメリアと、もんどりを打って倒れた村長の間に、頼もしい小さな背中が割って入る。
「ご無事ですか!」
それは、イヴァンと彼についている妖精だった。
「お久しぶりです、皆さん!」
懐かしい顔ぶれに、嬉しくて騎士たちよりも近づいたところで……。
「エェ」
いつも朗らかだった村長が、顔に歪んだ笑みを浮かべた。
ふと、彼が自分の右手を背中の後ろに回していることに気づく。
「……私どもモ、お二人にお会いできテ嬉しいです」
そう言う村長が、後ろに回していた右手を持ち上げる。
陽光が銀の光を反射する。彼が後ろ手に持っていたのは――研がれた鋭い鎌だ。
躊躇なく、自分たちに向かって鎌が振り下ろされるのがエメリアの目にやけにゆっくりと見えた。
反射的にエメリアはフレンを腕に抱き込んだ。
「――エメリア!」
ギルフォードが後ろで叫ぶ。
いつ刃が身体に突き立てられるか、痛みに身構える。けれど目は閉じなかった。どうにかしてフレンを逃がさなくてはいけない。
「……待て!!」
そこで、崖の上から光とともに小さな影が飛び込んできた。
「ぐあっ」
光は素早い動きで、村長の鎌を弾き飛ばす。
次いで小柄な人影が、鞘に入ったままの剣を彼に叩きこんだ。
へたりこむエメリアと、もんどりを打って倒れた村長の間に、頼もしい小さな背中が割って入る。
「ご無事ですか!」
それは、イヴァンと彼についている妖精だった。