【完結】転生したら、退場予定の悪妃になりまして
その威圧に、拘束された村人たちは少し怯んだ。
「へ、陛下、待ってください」
エメリアが慌ててギルフォードに近づいた。
村長たちがさらなる褒章を求めているらしいことはわかった。だが、何かがおかしい。
優しかった村の皆のことはよく覚えている。こんなことを言う人たちではない。
そもそも始めからエメリアは皇妃の身分を明かしていたのだ。今さらそれを蒸し返す必要があるのか。
『……エメリア様』
そこで、エメリアの肩にふわりと乗った埃妖精からメレディスの声がした。
『彼ら、悪い妖精たちの魔法にかかっていますわ』
「……!」
そう言われて改めて見れば、確かにゆらりと村長たちから黒い影が立ち上っているのがわかった。
影からひそひそと声がする。
「たのしイ」「どうスル」「コロスのか」まるで蚊の大群のように彼らの声がうわんうわんと響く。
どれだけの妖精が集まっているのだろう。
言葉もなく立ち尽くしていると、次の瞬間、メレディスが動く。
それがきっかけで、黒い影は蜘蛛の子を散らすように消えていった。
メレディスも、黒い影たちを追いかけて姿が見えなくなった。
「……! え、これは……」
すぐに村長たちが正気に戻った。彼らは今の自分たちの状況に愕然とする。
「村への対応に不満があるならゆっくり聞こう」
ギルフォードが、彼らに向かい合う。村長が慌てて首を振った。
「ま、まさかそんな! 補助金もいただいた上に、皇妃様たちがいたことを公表するのも認めていただき、これ以上のことはありません!」
「……どういうことだ」
先ほどまでとの違いに眉を顰めたギルフォードに、エメリアが耳打ちした。
「陛下、……悪い妖精たちが、彼らを操っていたようです」
「へ、陛下、待ってください」
エメリアが慌ててギルフォードに近づいた。
村長たちがさらなる褒章を求めているらしいことはわかった。だが、何かがおかしい。
優しかった村の皆のことはよく覚えている。こんなことを言う人たちではない。
そもそも始めからエメリアは皇妃の身分を明かしていたのだ。今さらそれを蒸し返す必要があるのか。
『……エメリア様』
そこで、エメリアの肩にふわりと乗った埃妖精からメレディスの声がした。
『彼ら、悪い妖精たちの魔法にかかっていますわ』
「……!」
そう言われて改めて見れば、確かにゆらりと村長たちから黒い影が立ち上っているのがわかった。
影からひそひそと声がする。
「たのしイ」「どうスル」「コロスのか」まるで蚊の大群のように彼らの声がうわんうわんと響く。
どれだけの妖精が集まっているのだろう。
言葉もなく立ち尽くしていると、次の瞬間、メレディスが動く。
それがきっかけで、黒い影は蜘蛛の子を散らすように消えていった。
メレディスも、黒い影たちを追いかけて姿が見えなくなった。
「……! え、これは……」
すぐに村長たちが正気に戻った。彼らは今の自分たちの状況に愕然とする。
「村への対応に不満があるならゆっくり聞こう」
ギルフォードが、彼らに向かい合う。村長が慌てて首を振った。
「ま、まさかそんな! 補助金もいただいた上に、皇妃様たちがいたことを公表するのも認めていただき、これ以上のことはありません!」
「……どういうことだ」
先ほどまでとの違いに眉を顰めたギルフォードに、エメリアが耳打ちした。
「陛下、……悪い妖精たちが、彼らを操っていたようです」