【短編集】あなたのためを思って言っているのよ?
「――どいてください!」
気づいたら体が動いていた。人々が驚き戸惑う中、アンジュは横たわっている男性――ミゲルの側に座り、状況を確認する。
(呼吸が――心臓が止まっている)
だが、今ならまだ間に合う。アンジュはミゲルの心臓に手を当て、力を注ぎ込んだ。
「おい、ミゲル様に触るな」
「ミゲル様に何を……!」
アンジュを止めようとする人間、引き剥がそうとする人間もいたが「邪魔をしないで!」と睨みつける。そうしているうちに、段々と傷口が小さくなり、出血が収まっていくのに気づいたのだろう。祈るような表情でアンジュを見つめはじめた。
「うぅ……」
ミゲルが小さく唸り声を上げる。なんとか一命をとりとめたようだ。けれど、まだ油断はできない。アンジュが手を休めれば、一瞬で亡くなってしまうだろう。
どのぐらいそうしていただろうか? 空腹と疲れでアンジュの意識が朦朧とする中、ミゲルがゆっくりと体を起こした。
「ミゲル様!」
「よかった! 本当によかった!」
耳元で嬉しそうな人々の声が聞こえてくる。
「僕は一体……」
(よかった)
もう大丈夫だろう――そう思いながら、アンジュは意識を手放した。
気づいたら体が動いていた。人々が驚き戸惑う中、アンジュは横たわっている男性――ミゲルの側に座り、状況を確認する。
(呼吸が――心臓が止まっている)
だが、今ならまだ間に合う。アンジュはミゲルの心臓に手を当て、力を注ぎ込んだ。
「おい、ミゲル様に触るな」
「ミゲル様に何を……!」
アンジュを止めようとする人間、引き剥がそうとする人間もいたが「邪魔をしないで!」と睨みつける。そうしているうちに、段々と傷口が小さくなり、出血が収まっていくのに気づいたのだろう。祈るような表情でアンジュを見つめはじめた。
「うぅ……」
ミゲルが小さく唸り声を上げる。なんとか一命をとりとめたようだ。けれど、まだ油断はできない。アンジュが手を休めれば、一瞬で亡くなってしまうだろう。
どのぐらいそうしていただろうか? 空腹と疲れでアンジュの意識が朦朧とする中、ミゲルがゆっくりと体を起こした。
「ミゲル様!」
「よかった! 本当によかった!」
耳元で嬉しそうな人々の声が聞こえてくる。
「僕は一体……」
(よかった)
もう大丈夫だろう――そう思いながら、アンジュは意識を手放した。