桃色のアリス ~暗黒の魔女とアリスの想い~
すぐそこ、と言われて見渡すけれど見当たらない。見当たらないよ、とチェシャ猫に言おうとした瞬間、床につくはずの足の感覚がなくなり、浮遊感が訪れる。
「そこ、って、本当にすぐ足元!」
「うん」
ウサギの穴に落ちながらも、意識は遠退かず。落ちていく速度は減速し、穴の中にあるものが視界に飛び込んでくる。まず目に入ったものを急いで掴む。
――これは。
飛行機型の模型。すぐに、帽子屋の館、ウサギの部屋にあったものだと思い出す。二人乗りの飛行機の模型には、やっぱり白いペンで「黒ウサギへ」と書かれている。白ウサギから黒ウサギへ。
いつか、共に居られるように――
願いは確かにこの時に私の中に宿った。そして、白ウサギに出会ったんだ。
『アリス、貴女の願いはなんですか?』
その問いかけが、私の想いを、受け継がれたアリス達の想いを目覚めさせた。いつしか愛しくなっていた皆と、笑い合いたいと。一緒にいたいと。その気持ちは今も変わらない。
これからも、私は――
「「アリス!」」
いつの間にか出口は見えていたみたいで、外の光の眩しさに思わず目を瞑ってしまう。投げ出された身体は、チェシャ猫が受け身を取ってくれたようで痛い衝撃を受けずに済んだ。
目を開けると、視界が少しずつ戻ってくる。けれど、目の前が白と黒で埋まり、同時に身動きが取れなくなる。腕をさ迷わせると、固い身体が私を抱き締めていて。
「おかえりなさい、アリス」
「待っていたんだからな、バカ」
追いかけ続けた、焦がれ続けた二人の声が降ってきて、視界の戻らない目をぎゅっと瞑った。涙が滲み出て来てしまうけれど、もう構わない。
「ただいま! 白ウサギ! 黒ウサギ!」
「そこ、って、本当にすぐ足元!」
「うん」
ウサギの穴に落ちながらも、意識は遠退かず。落ちていく速度は減速し、穴の中にあるものが視界に飛び込んでくる。まず目に入ったものを急いで掴む。
――これは。
飛行機型の模型。すぐに、帽子屋の館、ウサギの部屋にあったものだと思い出す。二人乗りの飛行機の模型には、やっぱり白いペンで「黒ウサギへ」と書かれている。白ウサギから黒ウサギへ。
いつか、共に居られるように――
願いは確かにこの時に私の中に宿った。そして、白ウサギに出会ったんだ。
『アリス、貴女の願いはなんですか?』
その問いかけが、私の想いを、受け継がれたアリス達の想いを目覚めさせた。いつしか愛しくなっていた皆と、笑い合いたいと。一緒にいたいと。その気持ちは今も変わらない。
これからも、私は――
「「アリス!」」
いつの間にか出口は見えていたみたいで、外の光の眩しさに思わず目を瞑ってしまう。投げ出された身体は、チェシャ猫が受け身を取ってくれたようで痛い衝撃を受けずに済んだ。
目を開けると、視界が少しずつ戻ってくる。けれど、目の前が白と黒で埋まり、同時に身動きが取れなくなる。腕をさ迷わせると、固い身体が私を抱き締めていて。
「おかえりなさい、アリス」
「待っていたんだからな、バカ」
追いかけ続けた、焦がれ続けた二人の声が降ってきて、視界の戻らない目をぎゅっと瞑った。涙が滲み出て来てしまうけれど、もう構わない。
「ただいま! 白ウサギ! 黒ウサギ!」