桃色のアリス ~暗黒の魔女とアリスの想い~
厨房に入ってきた少女は驚いた顔で私を見つめる。
メイド服を着ているから、ここのメイドさんかな?
「海ガメ待て! その変な帽子にスープ入れてやる「可愛い!」ぶっ」
少女はこちらに駆け寄る寸前、目の前を通りかかったグリフォンを突き飛ばす。
「きゃあ!」
少女はそのままこちらに駆け寄ると、目にも止まらぬ速さで私に抱きついてきた。
「ピンク色のアリス! かーわーいーいーっ! こんなに可愛い女の子だったなんて! 私、可愛いものと、甘いものが大好きなの。私の名前はメアリ・アン! メアリーって呼んで! よろしくね!」
「よ、よろしく、メアリー」
突き飛ばされたグリフォンに声をかける余裕などなく、ぎゅう、と抱き締められる。
輝く笑顔を向けたメアリーは、私よりもずっと可愛い。さらさらの金色の髪の毛からは、お菓子の甘い香りが漂う。力が意外にも強くて、振りほどく事が出来ない。
「メアリィィィ」
「あれ? グリフォンどうしたの? 頭におっきなたんこぶが出来ているよ」
「誰のせいだ誰の!」
「誰? メアリーは知らないよ?」
「残念でしたねぇ。君はメアリーの眼中にこれっぽっちもなかったみたいですねー?」
海ガメはそう言いながら指で小ささを示す。
隙間なくくっついた指は、おそらくこれっぽっちと言うより端から存在などなかったと言っているの、かな?
「海ガメェェェェ!!」
「グリフォン! 暴れないで下さい!」
再び暴れだすグリフォン。そしてそれを後ろから羽交い締めで押さえる白ウサギ。
海ガメにいじられるグリフォンも中々大変そうだけど、一番大変なのはそれを止める白ウサギなのかもしれない。
「メアリーは二人を止めないの?」
未だに抱きついているメアリー。
視界には優しい色をした金髪の髪が広がっている。二人を止める気配はなさそうだ。
「止める? メアリーが? まっさかー! 面倒くさいもん!」
私から少し離れると、メアリーは天使のような笑顔で言い切った。
「ねぇねぇ遊び? ぼくも混ぜてー!」
「あ、ビル」
今まで隣にいたビルが海ガメ逹のところへ駆けていく。
「良いところに来ましたねぇ。丁度今グリフォンが遊んでくれるらしいですよー?」
「なになに? 今日はグリフォン、何してくれるのっ?」
海ガメの顔が良い事を思い付いた、とでも言うように口元をさらにニヤリとさせた。
「グリフォンがヒーローごっこしてくれるらしいですよー? ほら、悪の大王が羽交い締めにされている間がチャンスですよー! さぁビル、今ですぅ。ゴミ撲滅キックです!」
「ゴミぼくめつキーック!」
「いってっ痛っ! 海ガメてんめー!」
「あーもうっ! ビルも止めて下さいよ! アリスが来ているんですからっ!」
白ウサギの一言にビルは蹴るのを止め、グリフォンは大人しくなる。
「は? アリスが何だって?」
グリフォンは驚いた顔を見せると、こちらに視線を移した。私がアリスだと感じたようで、丸い目が更に丸くなる。この様子からすると、海ガメやメアリーへの怒りで私逹が来た事に気付いてなかったみたいだ。
「は、初めまして。アリスです」
白ウサギに解放されたグリフォンは、くるりと白ウサギの方へ振り返り、
「何でアリスが来た事もっと早く言わなかったんだよ!」
白ウサギに掴みかかった。
「うわあっ! 言うも何もそんな暇なかったじゃないですか! それにアリスを案内しようとした矢先、お玉が直撃しますし」
今度は白ウサギとグリフォンが騒がしく言い合いを始める。
メイド服を着ているから、ここのメイドさんかな?
「海ガメ待て! その変な帽子にスープ入れてやる「可愛い!」ぶっ」
少女はこちらに駆け寄る寸前、目の前を通りかかったグリフォンを突き飛ばす。
「きゃあ!」
少女はそのままこちらに駆け寄ると、目にも止まらぬ速さで私に抱きついてきた。
「ピンク色のアリス! かーわーいーいーっ! こんなに可愛い女の子だったなんて! 私、可愛いものと、甘いものが大好きなの。私の名前はメアリ・アン! メアリーって呼んで! よろしくね!」
「よ、よろしく、メアリー」
突き飛ばされたグリフォンに声をかける余裕などなく、ぎゅう、と抱き締められる。
輝く笑顔を向けたメアリーは、私よりもずっと可愛い。さらさらの金色の髪の毛からは、お菓子の甘い香りが漂う。力が意外にも強くて、振りほどく事が出来ない。
「メアリィィィ」
「あれ? グリフォンどうしたの? 頭におっきなたんこぶが出来ているよ」
「誰のせいだ誰の!」
「誰? メアリーは知らないよ?」
「残念でしたねぇ。君はメアリーの眼中にこれっぽっちもなかったみたいですねー?」
海ガメはそう言いながら指で小ささを示す。
隙間なくくっついた指は、おそらくこれっぽっちと言うより端から存在などなかったと言っているの、かな?
「海ガメェェェェ!!」
「グリフォン! 暴れないで下さい!」
再び暴れだすグリフォン。そしてそれを後ろから羽交い締めで押さえる白ウサギ。
海ガメにいじられるグリフォンも中々大変そうだけど、一番大変なのはそれを止める白ウサギなのかもしれない。
「メアリーは二人を止めないの?」
未だに抱きついているメアリー。
視界には優しい色をした金髪の髪が広がっている。二人を止める気配はなさそうだ。
「止める? メアリーが? まっさかー! 面倒くさいもん!」
私から少し離れると、メアリーは天使のような笑顔で言い切った。
「ねぇねぇ遊び? ぼくも混ぜてー!」
「あ、ビル」
今まで隣にいたビルが海ガメ逹のところへ駆けていく。
「良いところに来ましたねぇ。丁度今グリフォンが遊んでくれるらしいですよー?」
「なになに? 今日はグリフォン、何してくれるのっ?」
海ガメの顔が良い事を思い付いた、とでも言うように口元をさらにニヤリとさせた。
「グリフォンがヒーローごっこしてくれるらしいですよー? ほら、悪の大王が羽交い締めにされている間がチャンスですよー! さぁビル、今ですぅ。ゴミ撲滅キックです!」
「ゴミぼくめつキーック!」
「いってっ痛っ! 海ガメてんめー!」
「あーもうっ! ビルも止めて下さいよ! アリスが来ているんですからっ!」
白ウサギの一言にビルは蹴るのを止め、グリフォンは大人しくなる。
「は? アリスが何だって?」
グリフォンは驚いた顔を見せると、こちらに視線を移した。私がアリスだと感じたようで、丸い目が更に丸くなる。この様子からすると、海ガメやメアリーへの怒りで私逹が来た事に気付いてなかったみたいだ。
「は、初めまして。アリスです」
白ウサギに解放されたグリフォンは、くるりと白ウサギの方へ振り返り、
「何でアリスが来た事もっと早く言わなかったんだよ!」
白ウサギに掴みかかった。
「うわあっ! 言うも何もそんな暇なかったじゃないですか! それにアリスを案内しようとした矢先、お玉が直撃しますし」
今度は白ウサギとグリフォンが騒がしく言い合いを始める。