桃色のアリス ~暗黒の魔女とアリスの想い~
不思議の国は平和だと、そう思い城で過ごしていた。去年の誕生日の後、呪いのことを女王様から聞いてからも、穏やかな日々に呪いなんてないとさえ感じながら。苦しんでいる人がいるのを知らずに。頑張って呪いを解こうとしている人を知らずに。
悔しい。もっと早く、呪いを解く覚悟が出来ていたなら。もっと早く白ウサギや、皆に出会っていたなら。きっと迷う事なんてなかった。皆が好き。呪いを解きたいって願ったはずだ。違った今があったかもしれない。
「過ごした日々を後悔しないでください。崩壊も呪いも、危うい事は例外なく、自分の目で確かめないと本当に解かることは出来ないです。そのことが命取りに、手遅れになることは少なくないです。崩壊は目の前です。でも、完全に崩壊はしていない。呪いの苦しみも、まだ誰かの命を奪ったりはしていません。貴方はこうして今、気づき、困難に立ち向かおうとしています。だから今からでも遅くないです」
「そうだよ。大切なのはこれからどうするかなんだ」
「過去は振り返らないー! あの時ああだったら、ああしていたら良かったなって思っても過去は変えられないもの。だから、変えるなら未来を変えよう? メアリーはいつもそうしているよ!」
「変えるなら、未来を……」
皆の言葉で見失いかけていた大切な事を思い出した。私がここにいるのは、未来を変える為。平和な、幸せな未来を求めて、私は今此処にいる。
「前を向かなきゃ。後ろ向きな考えで、呪いを解く事なんて出来ないよね」
「そうですよー? アリスはどんどん前へ進んでください。そして呪いなんてぱぱっと解いちゃってくださいね?」
「そうだぞ! 俺らの未来はお前にかかってんムガッ!!」
「アリスに変なプレッシャーかけたらメアリー許さないよ?」
「あははっ! グリグリ顔面白いー!」
目の前で繰り広げられるグリフォンへのいじめ? もなぜか今はその光景さえ心強い。元気を貰っている気がする。
「さて、そろそろお出ましのようですし、用意しましょうか?」
「お出まし? 誰が、あ、あれって!」
嫌な気配を感じ、窓の外を見ると青い世界に蠢く黒いものがこちらに向かってきている。
「あれは、魔物!」
迷いの森で出会った魔物と形は違うものの、暗黒の気配と異形の姿は明らかに魔物と知らせる。
「もしかして時間がないって魔物が来るって事だったの!?」
「ここも崩壊の呪いの影響は出ているようでしたから。海ガメ、グリフォン、メアリー、ビル。用意出来ていますね?」
「バッチリですよぅ」
「メアリーもバッチリー!」
「海ガメは逃げる準備が、だろ。僕はいつでもオーケー」
「ボクもボクも! じゅんびばんたーん!」
「え! 皆どこいくの?」
それぞれ返事をすると、白ウサギを先頭に魔物がいる方へと通じるドアに向かって歩いていく。
「ダメ! 危ないよ!」
ドアへ駆け寄り、出ていこうとする白ウサギの腕を掴む。
「心配ありがとうございます。僕らは大丈夫ですよ。それよりアリス。貴女はこれから帽子屋の館に戻り、鏡のことを伝えてください。彼は協力してくれるはずです。そして、鏡を探しに行ってください。それから、出来るなら黒ウサギを見つけてください。きっと、今の貴女を理解してくれます」
「うん、分かったよ。でも今は、危ないよ! 行っちゃダメ!」
白ウサギの前へと回る。背にした扉の向こうから、迫り来る魔物の嫌な気配を感じて、背筋がゾッとした。
「あんな沢山の魔物、白ウサギ達はどうするつもりなの!」
悔しい。もっと早く、呪いを解く覚悟が出来ていたなら。もっと早く白ウサギや、皆に出会っていたなら。きっと迷う事なんてなかった。皆が好き。呪いを解きたいって願ったはずだ。違った今があったかもしれない。
「過ごした日々を後悔しないでください。崩壊も呪いも、危うい事は例外なく、自分の目で確かめないと本当に解かることは出来ないです。そのことが命取りに、手遅れになることは少なくないです。崩壊は目の前です。でも、完全に崩壊はしていない。呪いの苦しみも、まだ誰かの命を奪ったりはしていません。貴方はこうして今、気づき、困難に立ち向かおうとしています。だから今からでも遅くないです」
「そうだよ。大切なのはこれからどうするかなんだ」
「過去は振り返らないー! あの時ああだったら、ああしていたら良かったなって思っても過去は変えられないもの。だから、変えるなら未来を変えよう? メアリーはいつもそうしているよ!」
「変えるなら、未来を……」
皆の言葉で見失いかけていた大切な事を思い出した。私がここにいるのは、未来を変える為。平和な、幸せな未来を求めて、私は今此処にいる。
「前を向かなきゃ。後ろ向きな考えで、呪いを解く事なんて出来ないよね」
「そうですよー? アリスはどんどん前へ進んでください。そして呪いなんてぱぱっと解いちゃってくださいね?」
「そうだぞ! 俺らの未来はお前にかかってんムガッ!!」
「アリスに変なプレッシャーかけたらメアリー許さないよ?」
「あははっ! グリグリ顔面白いー!」
目の前で繰り広げられるグリフォンへのいじめ? もなぜか今はその光景さえ心強い。元気を貰っている気がする。
「さて、そろそろお出ましのようですし、用意しましょうか?」
「お出まし? 誰が、あ、あれって!」
嫌な気配を感じ、窓の外を見ると青い世界に蠢く黒いものがこちらに向かってきている。
「あれは、魔物!」
迷いの森で出会った魔物と形は違うものの、暗黒の気配と異形の姿は明らかに魔物と知らせる。
「もしかして時間がないって魔物が来るって事だったの!?」
「ここも崩壊の呪いの影響は出ているようでしたから。海ガメ、グリフォン、メアリー、ビル。用意出来ていますね?」
「バッチリですよぅ」
「メアリーもバッチリー!」
「海ガメは逃げる準備が、だろ。僕はいつでもオーケー」
「ボクもボクも! じゅんびばんたーん!」
「え! 皆どこいくの?」
それぞれ返事をすると、白ウサギを先頭に魔物がいる方へと通じるドアに向かって歩いていく。
「ダメ! 危ないよ!」
ドアへ駆け寄り、出ていこうとする白ウサギの腕を掴む。
「心配ありがとうございます。僕らは大丈夫ですよ。それよりアリス。貴女はこれから帽子屋の館に戻り、鏡のことを伝えてください。彼は協力してくれるはずです。そして、鏡を探しに行ってください。それから、出来るなら黒ウサギを見つけてください。きっと、今の貴女を理解してくれます」
「うん、分かったよ。でも今は、危ないよ! 行っちゃダメ!」
白ウサギの前へと回る。背にした扉の向こうから、迫り来る魔物の嫌な気配を感じて、背筋がゾッとした。
「あんな沢山の魔物、白ウサギ達はどうするつもりなの!」