漆黒の花嫁 ーその手をもう一度
しかし約三年前。
リヒターは何者かによって暗殺され、命を落とした。
その犯人がユーハイム国の者ではないかという噂が、密かに囁かれるようになった。
表向き、ユーハイム国への戦争は資源確保のためとされていたが、実際には兄の死に対する報復として仕掛けられた戦争であった。
当然、エルフナルドは前線に立ち、戦争に参加するつもりでいた。
しかしそれを止めたのはアシュリー王だった。
「リヒターが亡くなった今、次期王となるのはお前だ、エルフナルド。フレドリックではまだ若すぎる。王は務まらん。お前はこの戦には参加せず、国に残れ」
「お待ち下さい、父上。私が戦の指揮を取らずして、誰が指揮を取ると言うのですか? サリトスも別の国での職務のため、この戦に参加することができません」