漆黒の花嫁  ーその手をもう一度
そして四年後の今日。
 ユリアは再び、王に呼び出されたのだった。

 ユリアはバルコニーに置かれた椅子に腰かけ、王宮から見えるユーハイム国の町並みを眺めていた。

「……お母様。ついにこの国を離れるときが来てしまいました。私はこれから、どうなってしまうのでしょう……? 本当は、争いを起こす国なんて行きたくないのに……」

 ユリアは静かに涙を流しながら、そう呟いた。
< 5 / 19 >

この作品をシェア

pagetop