結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。

2.

 学園に入学して十日ほど経ち、なんとなく学園生活にも慣れてきた。
 授業が終わり、図書室にでも寄ってから帰ろうと思っていたら、アーヴィンがテスト片手にこちらにやってきた。教室内には、まだ半分ほどの人が残っているのに何ごとだろうかと、つい身構えてしまう。
「イレーヌ。君、この問題が解けたのか?」
 私の目の前に答案用紙をつきつけたアーヴィンだが、最後の問題には見事、×がついていた。
「ええ、それが何か……?」
「それが何か、じゃないよ」
 バンッ! と、アーヴィンは答案用紙を机の上にたたき付ける。
「俺は何度やってもこれが解けないんだ。教えてくれないか?」
 入学してすぐの実力試験が、つい先日、行われた。その結果が今日の昼休みに掲示板に貼り出され、私はなんとか一位を取った。アーヴィンの名前の上に私の名があったときは、心の中で拳を握ったくらいだ。
 新入生代表の挨拶をアーヴィンにとられたのが、よっぽど悔しかったらしい。意外と自分は負けず嫌いなんだなと、学園に入ってから気づいた。
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