結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。
テロスとは約百年前に活躍した画家で、色使いが鮮烈で、それによって感情や情念を表現したと言われている。初期の作品は、内戦の影響もあったせいか暗い印象の作風だったが、内戦が終わると他の画家の影響も受け、次第に明るい色調の作品へと変化していった。彼の作品は、今ではこの国を代表する絵画だとも言われていて貴重であるため、普段は美術館の保管庫で厳重に保管されているが、年に何回か国内の美術館で展示する。さらに、他国との文化交流のために、そちらの美術館への貸し出しなんかも行っている。
私が記憶しているかぎりでは、ここ三年くらいは近隣諸国の美術館で展示されていたはずだ。それがやっと戻ってくるのだろう。
「開催前の特別招待枠があるのだが……それに、一緒にどうだ?」
「特別枠?!」
テロス展となれば、国内中からファンがこぞって見にやって来る。父に頼めばチケットは手配してくれそうだが、会場内はそれなりに混雑するはずだ。ゆっくり絵画を楽しみたいというのは難しいにちがいない。
だからアーヴィンの誘いは、私にとっては魅力的なものだった。
「でも、それってなんだか不公平のような気がするわ……」
彼は王族だから特別なのだ。そのため、開催前にゆっくり絵画を楽しむ権利があるわけで、そこに私のような人間が紛れ込んでいいのかどうかがわからない。私以外にもテロスの絵画をゆっくり楽しみたいと思う人は多いはず。
私が記憶しているかぎりでは、ここ三年くらいは近隣諸国の美術館で展示されていたはずだ。それがやっと戻ってくるのだろう。
「開催前の特別招待枠があるのだが……それに、一緒にどうだ?」
「特別枠?!」
テロス展となれば、国内中からファンがこぞって見にやって来る。父に頼めばチケットは手配してくれそうだが、会場内はそれなりに混雑するはずだ。ゆっくり絵画を楽しみたいというのは難しいにちがいない。
だからアーヴィンの誘いは、私にとっては魅力的なものだった。
「でも、それってなんだか不公平のような気がするわ……」
彼は王族だから特別なのだ。そのため、開催前にゆっくり絵画を楽しむ権利があるわけで、そこに私のような人間が紛れ込んでいいのかどうかがわからない。私以外にもテロスの絵画をゆっくり楽しみたいと思う人は多いはず。