結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。
「だけど、十五歳以上はパートナー同伴なんだ」
 そんな話、聞いたことがない。夜会でもあるまいし。
 そう指摘すれば、兄王は薄く笑みを浮かべる。
「チケットがペアになっているからね。学園の友人でも誘いなさい」
「いいんですか?」
 兄の言葉に食いつき気味に尋ねたのは、テロス展と聞いてイレーヌを思い浮かべたためだろう。
「ああ、問題ない。これは公式行事ではなく、私的なものだからね」
 早速アーヴィンは、イレーヌをテロス展に誘った。
 テロスの絵画は身分問わず人気があり、それが展示されるとなればファンが大挙して詰めかけるのは目に見えている。チケットなんかも争奪戦になるだろう。それでも貴族たちは伝手を使うはずだが。
 そういった背景もあり、イレーヌが喜んでくれると思ったのだ。なにより彼女は絵画に興味があり、教養深い。彼女と一緒にテロス展へ行けば、新しい見方を発見できるかもしれない。
 だからイレーヌに声をかけた。
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