御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
その言葉で十分に胸がときめいているのに、後ろから抱きしめられて耳元で甘く囁かれる。

「これだと料理に限定しているように聞こえるな。訂正しよう。渚のすべてが好きだ」

鼓動が振り切れそうに高まって、菜箸を落とした。

「あ、あの、あの……盛り付けができません」

もじもじしながら言うと、頬にキスまでくれた。

クスッと笑っているのできっと渚を照れさせて楽しんでいるのだろう。

「鞄を部屋に置いてくる」

渚の頭を撫でた彼がリビングを出ていった。

(もう少し心に余裕がほしいけど、触れられるとドキドキして固まってしまう。こんなことで困っているなんて、幸せな証拠だ……)

ダイニングテーブルに夕食を並べ終えると、部屋着に着替えてきた彼と向かい合って座った。

料理に合わせて彼は白ワインを飲んでいる。

渚は酒が得意ではないので、レモンを浮かべた炭酸水にした。

美味しそうに食べている彼を見るのが好きだ。

嬉しくて明日はなにを作ろうかと、早くもレシピを頭に浮かべていた。

楽しい雰囲気で他愛ない話をしていたが、「ところで」と宏斗が食事の手を止めた。

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