御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
「コーヒー飲める?」

「はい。あの、でもお構いなく」

遠慮したけれどすぐに目の前にきれいな青いカップを置いてくれた。

「温かいものを飲めば少しはリラックスできるよ」

「ありがとうございます」

シュガーを少し入れてひと口飲むと、彼が言った通りに緊張が緩んだ。

彼はリビングの右側にあるキッチンダイニングに戻り、コーヒーマシンで自分の分を淹れている。

ホッとしたからかそれとも彼の優しさが胸にしみたせいか、目が潤んでコーヒーの水面がぼやけて見えた。

(泣いたらダメ。宏斗さんに心配かけてしまう)

急いで目元を拭ったが、それを見られてタオルハンカチを差し出された。

「すみません……」

「隣に座っていい?」

「は、はい」

隣の座面が少し沈んだ。

他に席はたくさんあるのに隣に座られると恥ずかしいが、安心感は逆に増した。

「話は気持ちが落ち着いてからでいいよ」

「大丈夫です。話せます」

長居してはますます迷惑をかけるので、胸に手を当て深呼吸してから元夫について話す。

「私、叔父に勧められて二年前に結婚したんです」

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