御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
叔父に相談したが妻としての努力が足りないせいだと逆に叱られ、離婚すれば親戚の縁を切ると脅された。

兄に安心してもらうための結婚だったので離婚までは考えていなかったが、結婚生活は夫の機嫌を伺い暴力に怯える地獄の日々で思い出しただけで今も苦しい。

また怖くなって落ち着くためにコーヒーを飲もうとした。

ローテーブル上のカップに手を伸ばしたが、震えている手ではこぼしてしまうと思い引っ込める。

すると宏斗の大きな手がいたわるように渚の背中に触れた。

驚いて彼と視線を交えると、凛々しい眉尻が少し下がった。

「俺も怖い?」

元夫のせいで男性全般が怖いのかと心配されたのかもしれない。

「いえ、驚いただけです。宏斗さんは優しい人だと知っていますので」

背中の温もりが心地いい。君の味方だと伝えてくれているような気がした。

その手に励まされて続きを話す。

「兄が亡くなって結婚生活をどうにかしようという気力もなくなってしました。夫が怒るのは私が至らないせいだと思うようになって……そんな時に地元の幼馴染が就職で上京してきたんです」

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