御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
(夢のために身を引いた方がいいの? 宏斗さんは私を愛してくれて、私もこんなに愛しているのに)

どうしていいのかわからなくて顔をうつむけると、彼が焦ったように言う。

「俺がISSIKIを継いでも渚は今のままでいい。なにも気負う必要はないんだ。大丈夫、心配いらないよ」

抱き寄せられて頼もしい腕に包まれた。

筋肉の厚みを感じるたくましい胸板に頬をあてても、鼓動は不安な音で高まり続けている。

『宏斗は窮地に陥っている時ほど「大丈夫、心配いらない」と言う性格なのよ。自分を励ますためなのよね。あの子がそう言った時は、迷っているんだと察してあげて』

彼の母親の言葉が頭の中を流れていた。

(宏斗さんも不安なの? 私を選んだら夢が遠のくと思って、本当は迷ってる?)

キスをくれた彼にベッドにそっと押し倒された。

パジャマを脱がされ、控えめな膨らみやふともも、敏感な部分を刺激される。

彼の手つきは今日も優しい。

いつもならふわふわとした快感の中で甘い声をもらしているのに、今日はそんな気分になれない。

「ああっ……」

初めて感じている演技をしてしまう。

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