御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
エマレディースクリニックという名の産婦人科専門の個人病院で、予約優先のため長く待たなければならなかった。

それから二時間半ほどが経ち、時刻は十二時を回った。

診察と会計を済ませた渚は病院を出て、灼熱の太陽の下を日陰を選ぶことも忘れてぼんやりと歩いている。

(私のお腹に、赤ちゃんがいるんだ……)

検査の結果、妊娠していると判明した。

現在は妊娠九週目で分娩予定は来年の三月だと説明された。

しかも驚きはそれで終わらない。

エコーで確認すると小さな胎児の影がふたつあり、双子だと言われたのだ。

その衝撃がまだ引かず、混乱している。

(結婚できるかどうかもわからないのに、双子を授かるなんて)

最寄りの駅は道路を横断した先に見えていた。

信号待ちをしながら、徐々に働きだした頭で考える。

(結婚できないと困る。私ひとりで双子を育てるのは無理だもの。だから宏斗さんの夢が叶わなかったとしても、仕方ないよね……?)

別れなくていい強力な理由ができた気がして口角が上がったが、その直後に自己嫌悪に陥る。

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