御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
(別れよう。宏斗さんの夢もお腹の子も、私が守る)
時刻は八時で、荷造りした大きなバッグふたつを持って自室を出る。
その時、宏斗に借りている携帯電話が鳴った。
イギリスにいる彼からの着信で、深呼吸してから平静を装って電話に出る。
『渚、今電話していてもいい?』
この五日間、宏斗のことばかり考えていたせいか、随分と久しぶりに声を聞いたような気持ちになる。
仕事の邪魔をしたくないので、電話で別れ話はできない。
声が震えそうになるのを堪えて、明るい口調を意識した。
「大丈夫ですよ。そちらは夜中ですよね? 寝なくていいんですか?」
『今、ベッドの中。渚の声が聞きたくなったんだ。明後日、帰国するよ』
「私も、声が聞けて嬉しいです……。気をつけて帰ってきてください」
『お土産はなにがいい?』
「荷物になってしまうのでなにもいらないですよ。宏斗さんが無事に帰ってきてくれたら、それだけで十分です」
これが最後の会話だと思うと、どうしても鼻の奥がツンとしてくる。
それを堪え、無理やり口角を上げた。
時刻は八時で、荷造りした大きなバッグふたつを持って自室を出る。
その時、宏斗に借りている携帯電話が鳴った。
イギリスにいる彼からの着信で、深呼吸してから平静を装って電話に出る。
『渚、今電話していてもいい?』
この五日間、宏斗のことばかり考えていたせいか、随分と久しぶりに声を聞いたような気持ちになる。
仕事の邪魔をしたくないので、電話で別れ話はできない。
声が震えそうになるのを堪えて、明るい口調を意識した。
「大丈夫ですよ。そちらは夜中ですよね? 寝なくていいんですか?」
『今、ベッドの中。渚の声が聞きたくなったんだ。明後日、帰国するよ』
「私も、声が聞けて嬉しいです……。気をつけて帰ってきてください」
『お土産はなにがいい?』
「荷物になってしまうのでなにもいらないですよ。宏斗さんが無事に帰ってきてくれたら、それだけで十分です」
これが最後の会話だと思うと、どうしても鼻の奥がツンとしてくる。
それを堪え、無理やり口角を上げた。