御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
どういう意味かと問うと、宏斗の母親から電話がかかってきたと教えられた。

会ったこともない娘を褒めたたえられ、宏斗が独身で結婚相手を探している話をされたそうだ。

『当人同士が望んでいるのでしたら応援しますが、国が違えば戸惑うことも多いでしょう。私としましては、会社と娘の結婚は切り離して考えたいのですが』

母の勝手な見合いの打診を打ち明けられて、勘弁してくれと頭を抱えたくなった。

これまでも断りにくい相手との縁談を進められそうになって苦労したが、今回のような社運をかけてと言っても過言ではない大事な案件にまで結婚を絡めようとしたことに憤った。

相手が乗り気でなかったからいいものの、もしその気になられていたらと思うと恐ろしい。

合併に向けて尽力してきた努力が一瞬で泡となり、消えた可能性もあったのだ。

(今回ばかりは許せないな。明日、出社したら、問いたださなくては)

母の愚行の理由を考えていた時に、渚の顔が浮かんだ。

(渚と結婚しようとしているのに気づかれた?)

先々月、執務室で母と話した時に恋人がいる話をしておいた。

渚の名前やどういう人かは話していない。

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