御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
心配させたくなくて、母親が結婚に反対するだろうということは教えていなかった。

外堀を固めて母の反対を封じる。それを秘密裏に行うことで渚を守っているつもりでいたのだが、結果はこれだ。

なんの前情報も心構えもない中で母に追い込まれた渚の心情を思うと、申し訳なくて自分を殴りたいほど腹が立った。

(母への対策は、渚と一緒に考えるべきだったんだ)

その時、宏斗の携帯が鳴った。

母の秘書、猿渡からだ。

『今、いいか?』

「ああ」

『副社長の執務室のゴミ箱から気になるものを見つけたんだ。一応、知らせておこうと思って』

身辺調査を得意とする興信所の代表の名刺と、家事代行業者の連絡先が書かれたメモ用紙だという。

(なるほどな)

息子の恋人の身辺調査をして嫁には不適格だと判断したあとは、渚に会うために家事代行業者に掃除を依頼したという流れが見えた。

『宏斗の彼女、掃除のアルバイトをしてるって前に言ってたよな。この会社ならマズイぞ。副社長がお前の彼女に会おうとしてるってことだ』

こうやって母親の動向を知らせてくれてこれまでは助かっていたが、今回は遅かった。

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