御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
言いにくそうにしている渚を見て訳アリだとさっした様子の看護師が話を終らせてくれた。

「明日、聞かせてもらいますね。思いつめるとお腹も張るので、今日はリラックスしてください」

枕元にナースコールを置いて看護師が退室すると、入れ替わりに宏斗が入ってきた。

リラックスと言われても、緊張しないわけにいかない。

彼はコートを腕にかけ、私服のニット姿だ。

ベッドサイドのスツールに腰かけて小さく息をついている。

「なにから話そうか」

渚が宏斗の自宅を出たのは三か月半ほど前のことだ。

そんなに長く会っていなかったわけではないが、なにを話していいのかわからなくなるほど思い悩み、多くの出来事があったのは彼も同じようだ。

無言の間に耐えられず、渚から話す。

「話し合わずに別れを決めて、ごめんなさい」

宏斗が傷つくのはわかっていた。

突然一方的に交際を終了させられ、言い返すこともできずに悔しい思いをしただろう。

叔父から守るためにすぐに宏斗との縁を切るしかなかったのだが、苦しませてしまったことは心から申し訳なく思っている。

宏斗が首を横に振った。

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