御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
「手紙を読んだ時はショックだったが、今はわかってるよ。すべて、わかってる」

(すべて……?)

そう言えばお腹が大きな渚を見ても宏斗は驚いていなかった。

どこまで知っているのかと動揺していると、宏斗が渚の腕をさすった。

「落ち着いて。順を追って話すから」

母親が陰で渚に接触していたことにはすぐに気づき、実家に苦情を言いに行ったそうだ。

自宅に戻って渚が置いていった携帯に電源を入れると、産婦人科から妊婦検診キャンセルの確認メールが届いて妊娠も知ったという。

(そんなメールが来るなんて知らなかった……)

「身重の体の渚につらい覚悟をさせてしまった自分が情けなかった。だから俺も絶対に見つけ出すと決めたんだ」

渚のアルバイト先だった吉見クリーンサポートの社長に、渚の居所を知らないか聞きにいったそうだ。

知らないと言われたがなんとなく隠しているような雰囲気もあり、日を改めて聞きに行こうとその日は帰ったらしい。

同時進行で興信所にも依頼して行方を捜していると、渚が置いていった携帯に由奈から電話がかかってきたという。

「えっ、由奈と話したんですか?」

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