御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
「ああ。渚が出て行って二週間ぐらいしてからだ。幼馴染なんだね。渚を助けてほしいって、泣いていたよ。君の叔父さんの事情も教えてくれた」

(由奈、そんなことひと言も言ってなかったのに)

札幌に引っ越して生活が落ち着いてから由奈には事情を知らせる電話をかけた。

由奈と偶然会って話した時は、宏斗と別れた方がいいか悩んでいる時期だった。

そこからの急展開に由奈は驚いて、叔父が脅してきたことを話すとものすごい勢いで謝られた。

『ごめん、叔父さんの手紙にそんな意図があるとは知らなくて。悩んでいたけど渚は妊娠しているし、別れられないと思ってた。恋人とちゃんと話し合ったあとは、守られて幸せに暮らしているはずだって思い込んでいて……どうしよう。私、渚にとんでもないことしちゃった』

叔父からの手紙を由奈が仲介してくれたから罪悪感を持たせてしまったようだ。

由奈のせいではないと何度も言ったのだが、心配するあまりに渚に許可を取らずに宏斗に電話をかけたのだろう。

何度かメッセージをやり取りする中で住所や職場の連絡先まで聞かれて不思議に思ったが、宏斗に教えるためだったようだ。

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