御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
忘れるなと文句を言っているような気がしてクスッとした。

「動いた。元気がいいな」

宏斗の唇が嬉しそうに弧を描いた。

初めての父子の交流に渚も笑みを浮かべながら、ひとつだけ勘違いを訂正する。

「宏斗さん、三人じゃなくて四人なんです」

「どういうこと?」

「お腹の赤ちゃんは双子ですよ」

「えっ!?」

宏斗が目を見開いて言葉を失っている。

彼がそこまで驚く姿を見たのは初めてで、おかしくなって笑った。

やっと現実を飲み込めた様子の彼にそっと抱きしめられる。

「ひとりで双子を育てるつもりだったのか? まったく君という人は……二度と無茶させないよ」

触れ合う頬が少し冷たくて気持ちいい。

「はい」

どんな困難も宏斗と一緒に乗り越えていこうと心に誓う。

すると常に胸に広がっていた不安が嘘のように消え、春が来たかのように暖かく清々しい気持ちになれた。




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