御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
双子がくれる幸せ
宏斗が札幌に迎えに来てくれてから二か月半ほどが経つ。

渚は今、都内の産婦人科の病院に入院中だ。

東京に戻ってからはできる範囲で家事をして、宏斗に守られながら心穏やかなマタニティライフを送っていたのだが、切迫早産の恐れがあってひと月ほど前から管理入院となった。

トイレとシャワー以外はベッド上で安静に過ごしている。

今、生まれると早産になってしまうので、もう少しお腹の中にいてほしい。

時刻は十八時半。夕食を終えた渚はベッド柵を掴みながらなんとか横になる。

お腹は前にも横にも張り出して、寝がえりを打つだけでもひと苦労だ。

(来週、この子たちに会えるのが楽しみ)

正期産に入るのが来週で、帝王切開での分娩を予定している。

手術の経験はないが少しも怖くない。

安心して出産に臨めるのは、宏斗が支えてくれるからに違いない。

(そろそろ来るかな)

そう思ったタイミングで個室のドアがノックされ、スーツ姿の宏斗が入ってきた。

「宏斗さん、おつかれさまです」

「渚もね。今日も子供たちをお腹の中で育ててくれてありがとう」

宏斗はほぼ毎日、見舞いに来てくれる。

休日だった昨日は面会時間の始まりから終わりまでこの病室にいた。

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