御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
お守りを床頭台の引き出しにしまってくれた彼が渚の手を握る。

「体調はどう?」

「変わらないですよ。お腹がパンパンで苦しいけど、来週にはそれもおしまいだと思うと寂しい気もするんです。あっ、もちろんこの子たちに会えるのはすごく楽しみです」

宏斗が渚のお腹に手をあてて目を細める。

「俺も楽しみだ。今、動いたな。力が強くなってきた。蹴とばしたのはどっちだ?」

「上の方なので女の子ですよ」

双子は男女だと性別がわかっている。

頭を上にしているのが男の子で、下にしているのが女の子だ。

「今の時代、女性は強くないとな」

宏斗が笑って渚のお腹を撫でた。

「実はこれから会食なんだ」

「えっ、早く行ってください」

友達との食事会なら少しくらい遅れても許されると思うが、きっと仕事だろう。

遅刻しては大変だと思って急かしたのに、彼はのん気に冷蔵庫を開けている。

「水とお茶は足りてそうだな。ジュースをもう一本買っておこうか?」

「二本あれば十分です。宏斗さんは早く行っ――」

「おやつは?」

「いらないですよ。今日はもう寝るだけなので。はや――」

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