御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
「宏斗さんはお兄ちゃんの友達だから、私たちと同じ普通の人だと思っていたんです。でも、この車もお住まいも、その……」
「ああ、なるほど」
宏斗がジャケットの内側に手を入れて名刺入れを出し、そこから一枚を取って渚にくれた。
「俺の勤務先」
青信号に変わり走り出した車の中で、渚は名刺に視線を落として目を丸くした。
(ISSIKIってこの車のメーカーだよね。専務取締役……えっ?)
ISSIKI自動車は国内で一、二を争う日本人なら誰もが知っている大企業だ。
その本社の専務取締役を三十四歳の若さで務めているのに驚いたが、理由は聞かなくても推測できた。
(ISSIKIって、漢字で書いたら逸敷なんだ)
宏斗の名字が逸敷だ。きっと創業者の親族なのだろう。
初めて知った彼の正体に驚き、気後れして見る目が変わりそうになる。
それを見透かしたように先手を打たれた。
「名刺を渡したのは単に君の疑問に答えるためだ。俺は俺だよ。今後も航の友人として見てほしい」
(そうよね……)
急に対応を変えられると傷つく気持ちはわかる。
「ああ、なるほど」
宏斗がジャケットの内側に手を入れて名刺入れを出し、そこから一枚を取って渚にくれた。
「俺の勤務先」
青信号に変わり走り出した車の中で、渚は名刺に視線を落として目を丸くした。
(ISSIKIってこの車のメーカーだよね。専務取締役……えっ?)
ISSIKI自動車は国内で一、二を争う日本人なら誰もが知っている大企業だ。
その本社の専務取締役を三十四歳の若さで務めているのに驚いたが、理由は聞かなくても推測できた。
(ISSIKIって、漢字で書いたら逸敷なんだ)
宏斗の名字が逸敷だ。きっと創業者の親族なのだろう。
初めて知った彼の正体に驚き、気後れして見る目が変わりそうになる。
それを見透かしたように先手を打たれた。
「名刺を渡したのは単に君の疑問に答えるためだ。俺は俺だよ。今後も航の友人として見てほしい」
(そうよね……)
急に対応を変えられると傷つく気持ちはわかる。