御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
誰かに見られているわけではないけれど、なぜか鼓動が高まった。

すると宏斗の手つきが急になまめかしくなる。

「あっ」

思わず甘い声を漏らすと、宏斗が枕元に戻ってきた。

渚の顔の横に片手をつき、色気を醸し出した顔を近づけてくる。

「ひ、宏斗さん」

「マッサージだけのつもりでいたんだけど、渚が欲しくなった。夫婦だからいいだろ?」

昨年の十二月、東京に戻って彼の父親に挨拶してから婚姻届を出した。

義父は眼光に鋭さを感じる少し強面の人だが、『懐妊おめでとう』と温かく祝福してくれた。

渚が行方をくらました原因のひとつに義母が関係しているのを宏斗が話すと、頭を下げて謝ってもくれた。

『渚さんにはつらい思いをさせたな。すまなかった。妻にはよく言っておくよ。結婚生活の邪魔をさせないから安心してくれ』

その言葉通りに義母からなにかされることはなかったが、嫁として認める気はないと言っているそうだ。

『母のことは構わなくていい。仕事上では縁を切れないが、プライベートではなるべく距離を置く。生まれた子供たちに会わせるつもりもないから安心してくれ』

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