御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
宏斗にそう言われて『わかりました』と答えたけれど、少しも義母を気にせず過ごすことはできない。

理想は義母にも双子の妊娠を喜んでもらいたい。

嫁として認めないと言われては、どうすることもできないが。

宏斗の唇が数センチの距離に迫り、渚は慌てている。

「宏斗さん、あの、ここ病室なので……」

「軽いキスだけ。今、生まれると困るから、それ以上はしないよ」

看護師が入室する際はノックをしてくれるので見られることはないと思うけれど、悪さをしているような気分で落ち着かない。

「んっ」

けれども久しぶりに唇が触れ合うと、渚も愛し合える喜びに胸を躍らせた。

(宏斗さん、ずっと我慢してくれていたのかな。時々、スキンシップは必要だよね。マッサージより気持ちいい。私もこういう時間が欲しかったのかも)

その時、ドアが素早くノックされ、返事をする前に開けられて肩を揺らした。

「渚、お見舞いに来たよ」

その声は由奈だ。

「あっ、取り込み中? ごめんね」

「待って! こっちこそごめん。帰らないで」

慌てて出ていこうとする由奈を熱い顔で引き留めた。

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