御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
「かっこ悪いところを見せてすまない」

彼が苦笑したその時、開けっ放しのドアから先ほどの助産師が入ってきた。

その両手にはピンクと水色のロンパースを着た双子が抱かれている。

いっぺんにふたりを抱っこできるとは、さすがプロだ。

「お待たせ。赤ちゃん、小児科の先生に診てもらったからね。異常なしで保育器に入らなくて大丈夫だよ。まずはママに抱っこしてもらおうかな」

寝たままの渚の両脇に双子がすっぽりと収まった。

目を閉じて寝ているようだけど、乳首を探しているのか口を開けて顔を左右に動かしている。

「可愛い……」

宏斗の目元を拭いたばかりの渚の目にも涙の幕が張る。

小さな手足も、まだ少ししか生えていない髪もふやけている肌も、なにもかもが愛しくて胸が苦しい。

宏斗も双子に目を奪われていたが、ハッと我に返った顔をして急いで携帯で動画を撮り始めた。

「抱っこの始めから撮れなかった」

いい瞬間を逃してしまったと言いたげな声に渚は笑う。

「それじゃ次はパパの番ね」

助産師に言われて宏斗が緊張した顔になる。

椅子に座った彼の腕に男の子が収まった。

「怖いな……」

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