御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
「最初はね。みんなそう思うから大丈夫」

宏斗の腕に今度は女の子が抱かれる。慣れていないのでひとりずつだ。

次に携帯を構えるのは渚の番で、父親の顔をして嬉しそうに目を細める彼をしっかりと動画に撮ることができた。

「せっかくだから親子四人の写真も撮ろうか」

「お願いします」

渚の腕に男の子が戻ってきて、女の子を抱いている宏斗が枕元に寄る。

「笑って。はい、チーズ」

カシャッと音がして切り取られた瞬間は、なににも代えがたい宝物になるに違いない。

(今が人生で一番幸せ)

そう感じたが、すぐに思い直す。

(ううん、今が一番だなんて決めたらダメだよね。これからもっとたくさんの幸せを四人で作っていきたい)

宏斗と顔を見合わせて微笑み合う。

きっと彼も同じことを思っている気がした。



双子はすくすくと育ち、今日でちょうど生後三か月になった。

おしゃれなインテリアしかなかった自宅のリビングは今や、ベビーベッドがふたつと電動バウンサー、プレイマットにメリー、赤ちゃんようのおもちゃやお世話グッズで溢れている。

双子の名前は兄が航大(こうだい)で、妹が花凛(かりん)という。

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