御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
渚はひとりでも頑張るつもりで大丈夫だと言ったのに、無理をしないでほしいと説得されてのことだ。

けれどもそのおかげで育児を楽しむ心の余裕を持てるので感謝していた。

「もうすぐ宏斗さんが帰ってくるので大丈夫ですよ。明後日、またよろしくお願いします」

「そうですか。では今日はこれで失礼しますね」

家政婦がエプロンを脱いで玄関に向かう。

「ありがとうございました」

見送って玄関ドアが閉まると、花凛がいよいよ泣き出して急に心細さに襲われた。

大人が渚ひとりの時に子供たちに泣かれると、それまで余裕があった心がたちまち慌てだす。

「花凛、泣かないで。ミルクはまだ早いよね。どうしたのかな?」

今日は土曜日だが、宏斗は重要な案件があると言って朝から出社した。

夕方には帰ると言っていたのでそろそろだと思うが、心細さから余計に待ち遠しく感じる。

(早く帰ってきてほしいけど、お仕事が忙しいのにあまり頼ったらダメだ。母親なんだから、私がしっかりしないと)

家にいる時の彼は率先して育児をしてくれる。

ミルクやオムツ替えはお手のもので、手が大きいから沐浴は渚よりもずっと上手い。

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