御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
彼の顔を見た途端にホッとして焦りも消えた。

急いで部屋着に着替えて手を洗った宏斗が航大を抱っこしてくれる。

「たそがれ泣きって言うんですって。夕方はいつもこうなので心配ないですよ」

母親なのに双子が同時に泣いたくらいで、うろたえていると思われるのが恥ずかしかった。

心細かった気持ちを隠して微笑んだのだが、無理しているのを見透かされてしまう。

空いている方の手で抱き寄せられ、頭を撫でてくれた。

「俺の前では弱音を吐いたっていいんだよ。双子育児がどんなに大変かはわかってるつもりだ。いつも頑張ってくれてありがとう。少し休んで。俺がふたりをみるよ」

「宏斗さん、ありがとう……」

心がフッと軽くなり自然と口角が上がる。

彼はいつも欲しい言葉をくれるから、大変な時でも笑顔でいられる。

支えられているのを強く感じていた。

「さて、航大はオムツを替えようか。花凛は少し待っててくれよ」

花凛をベビーベッドに寝かせてメリーを回した宏斗が、床のマットの上で航大のオムツ替えを始める。

渚は家政婦がいる時間に作った夕食をダイニングテーブルに並べていた。

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