御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
震える手で足元を指さすと、メモを拾い上げた彼が眉間に皺を刻んだ。

「大丈夫だよ、落ち着いて。俺がそばにいる」

つきまといの証拠になるからメモは預かると宏斗が言った。

肩を抱いて車まで誘導してくれる。

彼の温もりのおかげで震えが止まり、乱された気持ちも落ち着いた。

(隣にいてくれるだけですごく心強い)

「宏斗さん、ありがとうございます」

走り出した車内でお礼を言うと、彼が前を向いたまま素敵に微笑した。

そのあとは彼の自宅に戻り、渚が作った朝食を向かい合って食べる。

六人掛けのダイニングテーブルはガラスの天板でお洒落だ。

「おいしい。渚ちゃんは料理上手だな」

普段は外食が多いそうで、冷蔵庫にあまり食材が入っていなかったため大したものは作れなかった。

プレーンオムレツとトマトジュースを使ったスープ、ロールパンにベーコンを挟んだものだけだ。

それでも美味しそうに食べてくれるので嬉しくなり、もっと彼のために料理をしたくなる。

「ここでお世話になる間、私に食事を作らせてもらえませんか?」

「ありがたいけど、無理しないで」

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