御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
「二度と連絡しないと約束はしてくれました」

「法的効力のある書面にはしていないということ?」

「はい。繁史さんがあっさりと離婚を承諾してくれたので危険はないという判断です。少しですけど慰謝料も支払ってくれました」

シェルターを運営している民間団体が紹介してくれた弁護士から聞いている話では、繁史は離婚したいならどうぞという雰囲気だったそうだ。

離婚して一年経ってから、まさか捜されるとは誰も思っていなかった。

「第三者の前では君への執着を見せない。プライドが高そうな男だ。それなら今度は書面で接近禁止を約束させよう。破れば制裁のある法的効力のあるもので。場合によっては警察に相談した方がいいかもしれないな」

厳しい対処を考えているような宏斗を慌てて止めた。

「あの、しばらく帰らなければ諦めてくれるかもしれないので、少し様子を見させてもらえませんか? なるべく大事にしたくないんです」

頭に浮かぶのは叔父の顔だ。

「繁史さんのお父様が、叔父の仕事の取引先なんです」

離婚を報告した時は売り上げに響いたらどうしてくれるんだと叔父に激怒され、静岡に帰ってくるなと勘当された。

< 23 / 222 >

この作品をシェア

pagetop