御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
「子供の頃、叔父の家でお世話になった恩があるので迷惑をかけたくないんです。宏斗さんにもお世話になっていながら、こんなことを言ってすみません。なるべく早く引越し先を見つけますので」

親身になって考えてくれた宏斗の提案を受け入れられないのも申し訳ない。

引越し資金はないけれど早めに出ていかなければならない気持ちになっていると、彼が降参したように嘆息した。

「いや、今は引越しを考えなくていい。俺の方こそ意見を押しつけてすまなかった。君の言う通りしばらく様子を見よう。だが、外出時はくれぐれも用心してくれ」

「はい。ありがとうございます」

ホッとして止めていたフォークを動かし、ふわふわなオムレツを口に運ぶ。

レバロのオーナーがコツを教えてくれたのでオムレツには自信がある。

(繁史さん、職場を教えろと言ってたよね。レバロで働いているのはバレていないみたいだけど、行き帰りは十分に気をつけよう。一週間くらい帰らなかったら、諦めてくれるかな……)

繁史にも仕事があり、母親が退院すれば介護が始まるはずなので忙しくなるだろう。

いつまでも渚を追いかけていられないはずだ。

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