御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
元夫の件を早く解決して新しい働き口を見つけ、ひとり暮らしに戻りたい。
そう考えているはずなのに宏斗と離れるのが寂しくて、話し合いの日が遅くてもいいと少しだけ思ってしまった。
(私、わがままだ。こんなのはダメ。迷惑かけないようにしないと)
宏斗に惹かれる気持ちが膨らまないように蓋をして、掃除を始める。
広い家なのでやりがいがある。
汗ばむほどに体を動かして二時間が経ち、お昼になった。
休憩しようと思い手を洗っていると、自室から携帯の着信音が聞こえる。
急いで部屋に戻って携帯を手に取ると、電話をかけてきたのは由奈だった。
幼稚園から高校まで一緒だった由奈とは、なんでも話せる仲である。
『久しぶり。今、電話いい?』
明るい声が聞けて嬉しくなる。
「うん。連絡ありがとう。話すの二か月ぶりくらいだね」
由奈は保険会社で営業の仕事をしている。
かなり忙しいそうなので、渚からはなかなか会いたいと言えなかった。
「元気? 体調崩してない?」
『元気だよ。でも仕事が忙しすぎてさ。転職しようか迷ってるところ。ま、それは置いといて、今日連絡したのはね』