御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
今日は日曜なのでかなり賑わっており、子供たちのはしゃぎ声があちこちから聞こえた。

水族館に来ること自体が幼少の頃以来で、目に映るすべてが新鮮に感じる。

家族連れの後ろから遠慮がちに覗いた水槽は、白い砂から細長い小魚がたくさん垂直に顔を出していた。

「宏斗さん、このお魚は有名なチンアナゴですよね!」

「なに? もう一度言って?」

「チンアナゴですよね?」

「ごめん、聞こえない。もう一度、大きな声で」

「チン……あの、恥ずかしいです」

彼は「ごめん」と笑っているので、からかわれていたようだ。

いつも頼もしく守ってくれる宏斗の意外な一面が見られて、恥ずかしいけれど嬉しくなる。

可愛いペンギンたちに夢中になり、深い青色の大水槽ではエイやサメが優雅に泳ぐ姿を見上げて感嘆の息をついた。

(私まで、海の中にいるみたい……)

「クラゲの水槽もここの名物のようだ」

宏斗に手を引かれて移動し、また感動した。

長いスロープにクラゲが泳ぐ水槽が八つあり、三角や四角の鏡が水槽の間の壁や天井を埋めるように貼られている。

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