御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
今日は急なデートプランでここに来てよかったと思っていた矢先に、宏斗がまた独り言を言う。

「もう一度来ないとな。次は絶対に予約する」

(ええっ!?)

熱い顔のまま視線を合わせると、蠱惑的な笑みを向けられてさらに胸が高鳴った。

(それも冗談……?)

動揺していると開演のアナウンスが流れて場内が暗くなる。

ここから先は静かにしなければならないので、からかわれることはないだろう。

今のうちに高まった鼓動をなんとか鎮めようとしているのに、指を絡めるように手を握られた。

(どうしよう。私の手、汗ばんでない? ドキドキして集中できない)

ドームに映される満天の星空は得も言われぬほど美しいけれど、どうしても気持ちが繋がれている手に逸れてしまった。

四十分間の上演が終わって外へ出た。

「癒された。ちょうどいい休憩にもなったな」

「そう、ですね……」

本心を明かすと、ずっと鼓動を高まらせていたので休憩した気分にはなれなかった。

(宏斗さんはリラックスしてた。私が相手じゃ、少しも緊張しないんだ)

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