御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
頭を下げる社員の挨拶に応え、今日のスケジュールを頭に並べながら足早に執務室を目指した。
それから二時間ほどが経ち、時刻は十時半を回ったところだ。
ISSIKI本社の最上階にある会議室で、定例の重役会議が開かれている。
楕円の会議用テーブルに着いているのは、宏斗の父である代表取締役社長を筆頭とした重役たち十二人だ。
議題はアメリカの関税についてである。
日本車にかける関税を二十パーセント引き上げるというアメリカ大統領の衝撃発言から十日ほどが経った昨日、事態が変わった。
大統領が当分の間、関税率の改定を見送ると会見したのだ。
社長の指名で関税対策の指揮を執っている宏斗が昨夜の会見についての説明を終えると、向かいの席で社長が低く笑った。
「こちらに風が吹いてきたな」
宏斗と眉の形が似ている社長は七十二歳だ。
高齢者の枠に入っているが、眼光は鋭く威厳と風格を醸し出しており、あと十年は現役を続けられそうな活力を感じる。
「まぁ当然の結果だが。ご苦労さん」
機嫌のよさそうな父の目が宏斗を見ていた。
それから二時間ほどが経ち、時刻は十時半を回ったところだ。
ISSIKI本社の最上階にある会議室で、定例の重役会議が開かれている。
楕円の会議用テーブルに着いているのは、宏斗の父である代表取締役社長を筆頭とした重役たち十二人だ。
議題はアメリカの関税についてである。
日本車にかける関税を二十パーセント引き上げるというアメリカ大統領の衝撃発言から十日ほどが経った昨日、事態が変わった。
大統領が当分の間、関税率の改定を見送ると会見したのだ。
社長の指名で関税対策の指揮を執っている宏斗が昨夜の会見についての説明を終えると、向かいの席で社長が低く笑った。
「こちらに風が吹いてきたな」
宏斗と眉の形が似ている社長は七十二歳だ。
高齢者の枠に入っているが、眼光は鋭く威厳と風格を醸し出しており、あと十年は現役を続けられそうな活力を感じる。
「まぁ当然の結果だが。ご苦労さん」
機嫌のよさそうな父の目が宏斗を見ていた。