御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
「実は結婚を考えている女性がいるんだ。そのうち紹介するから、見合い話は二度ともってこないでくれ」

母が目を丸くした。

「恋人がいるなら早く言いなさいよ。どちらのお嬢さんなの? 名前は?」

渚は胸を張って紹介できる素晴らしい女性だが、肩書第一の母には慎重になる。

「そのうちと言っただろ。これから外出するんだ。忙しいから出ていってくれ」

母を追い出してひとりになると、ため息をついた。

執務椅子に座り、私用の携帯から猿渡にメッセージを送る。

【母に恋人がいることを話した。俺の家に押しかけてくるような気配があったら教えてほしい】

外堀を固める前に渚を母に会わせたくない。

嫁失格の烙印を押して渚を傷つけるに決まっているからだ。

一緒に暮らしているとは話していないが、自宅にいる可能性を考えて品定めに来るかもしれないので警戒が必要だ。

【いいよ。その代わり、今度お前の恋人に会わせてくれ。盛大に冷やかしてやるから】

(面白がってるな。そんなふうにいつまでものん気でいられる状況だといいが)

渚にもしばらくはインターホンが鳴っても対応しないように言っておかなければならない。

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