娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
「ご近所さんも朱音を可愛がってくれる気のいい方ばかりなんです。とくに同じフロアにひとりで暮らしている公美子おばあちゃんは朱音のことを孫のように可愛がってくれるんです。朱音もすごく懐いていて、公美子おばあちゃんが飼ってる犬を散歩に連れて行くのを楽しみにしていて」

「そうか……よかったな。安心したよ」

蓮斗は車を降り後部座席の扉をゆっくり開いた。

「俺が荷物を運ぶから、杏奈は朱音ちゃんを頼む」

「いえ、そこまでしてもらうわけには……ここからならひとりでも大丈夫です」

杏奈はシートベルトを外し、慌てて答えた。

わざわざ送り届けてもらっただけでも気が引けるのに、これ以上は図々しすぎる。

「荷物も多いのに大丈夫じゃないだろ。心配だから部屋まで送らせてくれ」

「でも……」

ありがたいが、やはり申し訳ない。

けれどこの様子だと、蓮斗は杏奈たちを心配して帰りそうにない。

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