娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
「私も、私も蓮斗さんをもっと幸せにします。だからこれから……んっ」

杏奈はハッと息を止めた。

突然引き寄せられたかと思うと、気づけば互いの唇が重なっている。

「あ……ふっ」

優しいキス。

下唇を素早く舐められて、思わず声が漏れた。 

「ん……」

蓮斗の唇が、杏奈の唇を溶かしていく。

「杏奈……」

呼吸の合間に角度を変えて、蓮斗は何度もキスを繰り返す。

離れていた時間を取り戻したかのような懐かしい感覚と、昨日までこうしてキスを交わしていたような安堵に似た感覚が同時に押し寄せてきて、なにが正しいのかわからなくなる。

「あっ……ん」

蓮斗の舌が唇をこじ開けて入ってきた瞬間、杏奈は躊躇なく舌を差し出し絡ませた。

その自然な動きにハッと目を開くと、蓮斗が熱を帯びた目で杏奈を見つめている。

瞳の奥に現われた驚きが、次第に喜び変わったように見えたのは気のせいだろうか。

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