娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
気のせいじゃない。

蓮斗も同じ気持ちだ。

それに、忘れていなかった。

長く離れていても、蓮斗とのキスを体は覚えていた。

今も蓮斗の動きに自然に応え、それを楽しんでいる。

今ようやく、自分は蓮斗のもとに戻ってきたのだと、そしてこれは夢じゃないと、強く実感した。

それにふたりで過ごした幸せな時間が次々とよみがえってきて、泣きそうになる。

蓮斗と会えなくてどれだけ寂しくても、一度も泣かなかった。

けれどいざ再会して一緒にいられるようになった今、幸せすぎて泣かずにいられる自信がない。

「蓮斗さん、私」

杏奈は蓮斗の首に手を回して、強くしがみついた。

もう二度と蓮斗と離れたくない。

一緒にいたい。 

言葉でうまく言えない気持ちをわかってほしくて、自分から蓮斗にキスをした。

恥ずかしいのにそうせずにはいられない不思議な感覚に後押しされて、心よりも体が先に動いてしまった。

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