娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
「忘れられてたまるか。杏奈を幸せにするのは俺だ。それに、俺を幸せにするのも杏奈だ。もう二度と離れるな」

「絶対に離れたくない」
 
再び愛される喜びを知った今、もう、絶対に離れたくない。

またあの時のように蓮斗の父に反対されても、今の自分はあの頃の自分じゃない。

独りよがりな判断をして、なにを大切にしなければならないかを間違えたくない。

蓮斗が望んでくれる限り、側にいて愛したい。

それになにより、朱音から父親である蓮斗を奪う権利はないのだから。

杏奈は何度かしゃくり上げた後、気を取り直すと。

高ぶる気持ちを落ち着け頬を伝う涙を拭った。

「蓮斗さん、また会えて、よかった。私、これからは――」

「ママをいじめたらやだっ」

その時、隣の部屋で眠っていたはずの朱音の大きな声が部屋に響いた。

「え、お、起きたの?」

「ママ、泣いてる。蓮斗君、いじめないで」
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