娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
それでもはしゃぐ朱音を追いかける視線はとても優しくて、父親である喜びをかみしめているのは明らかだ。

「どうしよう……」

想像することもできなかった夢のような展開に、杏奈の目に一度は止まった涙が再び浮かんでくる。

「蓮人君、一緒に塗り絵をしよう。プリンセスの塗り絵」

「いいよ」

蓮斗は満面に笑みを浮かべた。

目尻も下がりっぱなしだ。

杏奈はいつの間にか頬に流れ落ちた涙を、そっと拭った。

今日まで抱えてきた苦労や寂しさ。そのなにもかもがどうでもよくなって、ただ朱音と蓮斗が笑い合うこの姿を見るためだけに、今までがんばってきたような気がする。


この涙はうれし涙だ。幸せすぎてどうしようもない。

「プリンセスか……。だけど、どのプリンセスよりも朱音ちゃんの方が絶対にかわいい」

親バカ確定の蓮人の言葉にダメ出しされて、杏奈の目から次々と涙が流れ落ちた。




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