娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
「そうだな、まずはその話が先だな」

父は気を取り直し、蓮斗にうなずいて見せる。

「今日こそ『うん』と言わせ――」

「言いませんよ」

父の言葉に被せて、蓮人はきっぱりと言い放った。

会議の後、社長秘書からすぐに社長室に顔を出すよう伝えられた時から、呼び出された理由を察していたのだ。

「例の見合いの話ですよね。『うん』なんて言うわけないですよ」

「は……? また、お前はいつまで子どもじみたことを言って俺を困らせるんだ。会社のためを思えば断れない話だって五年前から言ってるだろ」

父は声高にそう言うと、つかつかと蓮斗の前に立った。

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