娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
「楽しいのはいいけど、ケガをしないように気をつけてね」

杏奈は苦笑し、朱音の頭を撫でた。

「この間も一輪車で転んだって連絡ノートに書いてあったから、ママ心配した――」

「慎太君?」

杏奈たちのやり取りを見守っていた蓮斗が、身を乗り出し声を挟んできた。

「誰だよ、それ」

「誰って、慎太君は朱音と同じクラスの男の子で、家も近いから仲よくしていて……どうかしたんですか?」

「仲よくって、まだ四歳だろ、早すぎないか」

「早すぎ? なんのことですか」

なにが言いたいのか理解できない。 

朱音もきょとんとしている。

「蓮斗君?」

「い、いや、なんでもない」

蓮斗は気まずげに顔を逸らした。

「蓮斗さん、あの、いったいなにを言って……あ、もしかして」

朱音に男の子の友達がいることが気に入らないのかもしれない。

「なんでもない。忘れてくれ」

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