娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
杏奈の読みは当たっていたようだ。

蓮斗は顔を赤くし、チラチラと朱音に視線を向けては心配そうに見つめている。

杏奈の口から思わず笑い声が漏れる。

「朱音、ゆうべお休みの前にママになんて言ってくれた? 蓮斗君に教えてあげたら?」

それはきっと慎太君に嫉妬している蓮斗の機嫌を直す、魔法の言葉だ。

「ゆうべ? えっと……忘れちゃった。蓮斗君に早く会いたいから急いで寝ちゃったし」

蓮斗の体がピクリと揺れた。

「だって、目が覚めたら蓮斗君に会えるってママが教えてくれたから、お風呂のあとすぐにお布団に入ったもん。起きたらすぐに蓮斗君がおうちにきたから、朱音うれしかった」

「朱音ちゃん……」

蓮斗は潤んだ目で朱音をまじまじと見つめている。

「そうだっ。朱音、蓮斗君が早くこないかなあって昨夜言ってた」

魔法の言葉を放つ朱音に、蓮斗はなにも言えずうんうんとうなずくばかり。 

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