娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
オムライスのせいか、今日はなにかと蓮斗を思い出して仕方がない。

朱音が怪我をしたと聞いて、気弱になっているからかもしれない。

「朱音ちゃんは痛くないし平気だって言うんですけど、痛みはあるはずなのでお迎えに来てもらったんです」

園長は杏奈の隣に立ち、かわいらしい歌声が響く教室を覗いた。

「歌と絵も大好きみたいですね。給食も残さず食べてくてわがままも言わないし。先生たちから頼りにされてるんですよ」

「そうなんですか……」

家では甘えん坊なのにと苦笑しながら再び教室を覗くと、朱音は今もご機嫌な表情で歌っている。

まるでケガなどしていないかのように楽しそうだ。

けれど普段からひとつのことにしか気が回らないタイプだ。

実は今も歌を歌うのが楽しすぎて、足の痛みなど忘れているのかもしれない。

どちらかといえば神経質な杏奈とは真逆のその性格が、我が子ながらうらやましい。

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